山本園について

 山本園のぶどう

 

 左が三代目園主の山本昇一さん・美晴さん。右が四代目の亮介さん・愛さん。心地よい風が吹き抜ける最高の職場で、朝から夕方まで家族一緒に過ごす

 

 

85年前、松林の開墾から始まりました

 

山本園は長野県北部、上信越高原国立公園に位置する志賀高原の麓にあります。1935年に志賀高原を水源とする夜間瀬川沿いの松林を曽祖父が開墾し、りんごの樹を植えたのが始まりです。それ以来、親子4代にわたって、りんごやぶどうなど、さまざまな果樹を育てながらこの農園を守り、受け継いできました。現在は、種なし巨峰やシャインマスカットを中心に、ぶどう専門に栽培しています。

 

ぶどうにもお客様にも真摯に

 

父がスキーのインストラクターをやっていた影響から、物心がつく前からスキーを履いていた三兄弟の末っ子です。「大好きなスキーが続けられるなら継ごう」、そういう軽い気持ちで就農しました。

最初の頃は見様見真似で、作業を覚えるだけでも大変。思った以上に辛い仕事だと気付きました。しかし、父が繰り返し言っていた「丹精込めて育てる」という言葉通り、手をかければかけたぶんだけ、ぶどうはそれに応えてくれます。そして、お客様からも「おいしかったよ。また送って」と言っていただけます。いまでは、自分が手間をかければ、ぶどうにもお客様にも応えてもらえる、そんなぶどう農家の醍醐味を知り、夜明けから日没までぶどう畑で過ごすぐらい、そのおもしろさにとりつかれています。

 

巨峰/シャインマスカットの畑。7月中旬〜11月と長期間にわたり、旬のぶどうをお届けできるように管理している

 

志賀高原の麓、ぶどう栽培に適した環境

 

2020年の事業継承を機会に、最後に残っていたりんごを伐採、ぶどう栽培に集中することにしました。なぜなら、「この土地なら、納得できるぶどうができる」と確信したからです。

「ガラ地」と呼ばれる水はけの良い土質や、昼夜の寒暖差が大きい内陸性気候から、ここはぶどう栽培に最適な土地だと言われています。また、農園を囲む志賀高原は、自然保護区「ユネスコエコパーク」にも登録されています。多様な植生と豊富な積雪量・すばらしい雪質が魅力の自然豊かな大地。そこから湧き出てくる水が、この農園を潤してくれます。

恵まれた環境に感謝し、この土地の力を存分に生かして、高品質なぶどうを栽培していきます。

 葉っぱ一枚にも「おいしさ」のヒミツがあります

 

冬|剪定・ハウスの加温開始

初夏|房切り・摘粒(ぶどうの房を整える)・枝葉の管理

夏|ハウスぶどうの収穫・出荷

秋|露地ぶどうの収穫・出荷

※年間を通して栽培記録を付け、作業工程を計画しています。

 

 

人間と同じように、ぶどうも食べたもの(摂ったもの)からできているので、肥料はなるべく自然のものを選びたいと思い、貝殻や骨粉など、ミネラル豊富な有機肥料を混ぜ込んで土づくりをしています。

収穫直前の時期には、ぶどうの房に栄養を届ける枝葉の管理に細心の注意を払います。葉っぱの光合成で養分を蓄えつつも、果実に太陽の光を届けるために余分な葉は間引く。一枚の葉っぱをとるのか、残すのか、そのバランスを見極めるのが収穫前の大事な仕事です。

 

新鮮なぶどうは、軸が太くて黄緑色をしている

 
ぶどうの房は触るべからず

 

ぶどうの皮をうっすらと包む白い粉。「ブルーム」と呼ばれるこの粉は、雨露をしのぎ、水分を保つために果実自らが作りだす天然成分です。ブルームは軽く触れただけでもとれてしまうため、果樹生産者やバイヤーの間では鮮度やおいしさの目安になっています。山本園では、採れたてのおいしさを味わっていただきたいので、果実には決して触れないように収穫します。

できるだけ収穫直後に近い状態でお客様に食べていただきたい。そんな思いから朝5時から収穫、農園敷地内にある作業場で丁寧に梱包し、その日のうちに出荷します。

 

私たちが目指すおいしいぶどうとは、ぷりっとした食感で、甘味と酸味のバランスがとれたもの。色づきの良さや持ったときの重量感、数は少なくても粒は大きく、整った房の形までもイメージして育てたぶどうです。

 土づくりから収穫まで、丹精込めてお届けするぶどうたちを、ぜひ大切な人と味わってください。

 

山本園 四代目園主 山本亮介